読解力は、仕事やコミュニケーションをスムーズに進行するために必要な能力です。
業界や職種を問わず、仕事は様々な人とのコミュニケーションの上に成り立っています。コミュニケーションにあたっては、相手の意図を正確に把握する読解力が不可欠です。
読解力を鍛えるビジネス上のメリットや読解力が低い人の特徴、読解力を鍛える方法について詳しく解説します。
文部科学省では、読解力を以下のように定義しています。
”自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力”
ビジネスにおける読解力とは、相手との会話のやりとりの中で相手の真意を推し量る力ともいえます。例えば商談の場において、相手の言葉から素早くニーズをキャッチできれば成約に至る確率を高められます。
読解力はビジネスをはじめ、あらゆるシーンにおいて必要とされる力です。
ビジネスにおいて読解力を鍛えるメリットは、主に以下の3点です。
読解力を鍛えることは、社会人として活躍する上で大きな強みとなります。具体的なメリットについて見ていきましょう。
仕事を進める上では、クライアントとの商談や打ち合わせ、社内の会議などあらゆる場面で他者とのコミュニケーションが発生します。読解力があると、コミュニケーションの場で相手の潜在的なニーズまで的確に把握できるようになります。
商談の場で、会話の中から相手の真意を素早く汲み取れれば、相手に訴求する提案ができるようになるでしょう。社内においても上司や部下、同僚とのコミュニケーションがスムーズになり、より効率的に仕事を進められます。
また、読解力が向上することによって相手に伝わりやすい話し方も上達しますので、説得力を持って話せるようになります。
業務を進める上で情報収集が必要な場合も多くあるでしょう。情報があふれる現代において、必要な情報と不要な情報を見抜く力は必須の能力です。
読解力が向上すれば、多角的に情報を捉える力が向上するので、業務に必要な情報を見極め、取捨選択ができるようになります。
情報収集力の向上は、労働時間の削減や仕事の生産性向上につながることもあります。読解力によって仕事の成功に結びつく情報を効率的に収集できるようになれば、少ない時間で成果を上げやすくなるでしょう。
読解力は情報の収集だけでなく、アウトプットの質も向上させます。特に、ビジネス資料の作成において効果を発揮しやすくなるでしょう。
資料を作成するには、大きく以下の3つの手順があります。
全てのフローにおいて、相手の意図を汲み取り表現していく読解力が必要になります。読解力が向上することによって、相手にとって分かりやすい資料を作成できるようになるでしょう。
読解力が低い人の特徴としては、以下のような傾向が見られることが挙げられます。
読解力が低いと、プライベートだけでなくビジネスにおいても物事がスムーズに運びづらくなってしまいます。具体的にどういった特徴があるのか、1つずつ見ていきましょう。
読解力がないと相手の考えを素早く理解できないため、その場で答えを出していくような意見交換の場が苦手な傾向があります。
例えば、クライアントや取引先が明確に言葉に表したことしか汲み取れず、スムーズに意見を交わすことが苦手だと感じる場面が多いのであれば、読解力が低い可能性があります。また、額面通りの言葉でしか理解できないというケースもあります。
言葉のやりとりは社外だけでなく、業務命令や会議など、社内においてもあらゆる場面で求められます。上司からの業務命令を正しく理解できなかったり、会議の場で問題点を正確に把握できなかったりすれば、質の高い仕事をするのは難しいでしょう。
読解力が低い人は、「読んで思考し、理解する」必要がある文字情報よりも、容易に理解できる視覚や聴覚を使う動画を好む傾向があります。
現代社会は動画や音声、画像など様々なコンテンツがあり、文字以外から多くの情報を得られるようになりました。その結果、読解力が低い人は視覚的に情報を得られる動画を選択する機会が多くなり、さらに読解力の低下を招くことにつながっています。
動画は情報を分かりやすく伝える手段として優れており、上手に活用すれば有益なものです。しかし、文字が苦手な状態で動画に頼り続けると、読解力を向上させるチャンスを逃してしまいます。
読解力が低いと、説明する際に必要な要点を簡潔にまとめられず、話が長くなる傾向があります。相手からすると「何の話をしているのか分からない」「誰に向けて話しているのか分からない」「結局、何を求めているのか分からない」という状態になってしまいます。
読解力が低い人は、話の構成を論理的に組み立てることが苦手なことが多く、抽象的な話に終始しがちで話も長くなりがちです。
相手に分かりやすく伝えるためのコツは、初めに話の全体像やゴールを提示してからスタートすることです。さらに、「5W1H」を意識して話すと相手に伝わりやすくなります。
読解力を鍛える方法・トレーニングには、主に以下の3つがあります。
当たり前だと思うかもしれませんが、読解力を身につけるには文字に多く触れ、そこから要点を読み取る練習をすることが一番の近道です。
普段から本をほとんど読まない人は、まずは読書に意識して取り組んでみましょう。読解力を鍛えるためには、ビジネス書などの頭を使いながら読むような本がおすすめです。
読書が苦痛を感じず習慣として定着したら、本の内容を要約し言葉にする練習をしましょう。本の内容を要約するには文字をただ読むだけではなく、内容を理解し解釈する力が必要なため、読解力が鍛えられます。
アウトプットの方法としては、家族や職場の人へ話してみたり、SNSで発信したりと様々な方法があります。まずは自分が取り組みやすい方法で試してみるとよいでしょう。
論理的思考力とは、物事を体系的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考法のことです。文字や会話の内容を理解する上で読解力と密接な関係があります。
「論理的に考える」とは、個人の主観や経験による思考のバイアスを排除し、情報を正しく理解、分析することです。そのため、論理的思考力の向上は物事の核心を理解し、言語化する読解力の向上に役立ちます。
論理的思考力は難しいものと捉えられがちですが、日々の生活において意識して取り入れていくことによって向上させられるものです。
論理的思考力を身につけるためには、以下のことを心がけましょう。
上記を意識して話をしたり資料作成に取り組んだりすることで、論理的思考力の向上が期待できます。同時に読解力も身についてくるでしょう。
誰しも自分の思考にクセや思い込みがあり、物事を誤って認識してしまうことがあります。情報の捉え方によって、本来認識するべき内容がきちんと理解できない可能性があります。
思考のクセを改善するには批判的思考(クリティカルシンキング)を身につけることが有効です。客観的な視点から分析し、問題解決へと導く思考力を鍛えることによって、先入観や主観を排除し、情報を理解する能力が向上します。
また、情報に偏りがないか意識してチェックしたり、自分以外の人の意見にも耳を傾けたりする習慣をつけることも大切です。
読解力は他者とのスムーズなコミュニケーションを取る上で必須の能力です。読解力の向上は個人のビジネス力を底上げする、重要な資質の1つです。
読解力の向上は、あらゆるビジネスシーンにおいて効力を発揮するでしょう。
読解力は読書や論理的思考力を鍛えることによって向上させられますが、より短期間で力を身につけたい場合は、セミナーなどの機会を利用するのがおすすめです。ビジネスパーソンとしてさらに成長したい人は、ぜひ積極的に参加してみてはいかがでしょうか。
パスメイクホールディングスは、「学び」と「学びの活用」を全力で支援し、輝く人生づくりと豊かな社会の実現を目指す教育グループです。
一人ひとりが自身のキャリアや人生に向き合い、夢を目標に、そして目標を現実のものに変えるための様々な支援プログラムやサービスをご提供しております。
興味を持たれた方は、ぜひ一度パスメイクホールディングスのWebサイトをご覧ください。