「このまま今の仕事を続けていて良いのか分からない」「将来に向けて転職が必要なのかを知りたい」など、将来のキャリアに漠然とした不安を持つ方もいるでしょう。
そのような仕事の悩みを解消したい場合には、キャリアの専門家の助言が受けられる「キャリア相談(キャリアカウンセリング)」の利用がおすすめです。
本記事では、キャリア相談のサービスや相談できる内容、カウンセリングを受けられるサービスについて詳しく解説します。
「キャリア」には仕事における経歴や経験だけではなく、スキルや人間性といった人生経験の意味も含まれます。キャリアは持続性を持つ概念のため、長期的な視点で考えることが重要です。
「キャリア相談(キャリアカウンセリング)」は、現在の業務内容の不安から将来の働き方まで、仕事に関するさまざまな悩みを気軽に相談できる場です。キャリア形成の専門家である「キャリアカウンセラー」と相談者による1対1の面談で行われます。
カウンセラーは相談者と対話をしていく中で、悩みに寄り添い、課題解決に向けた助言やサポートをしてくれます。近年は多様な働き方が一般化しつつあるからこそ、キャリアについて相談できる場が注目されているのです。
キャリア相談では、キャリアに関する様々な悩みや不安について相談することができます。具体的にどのようなことを相談する人が多いのか、20代~40代のよくある相談内容をみてみましょう。
20代は社会人経験の短さから、仕事の適性や進め方に関する悩みが多くなっています。
30代は社会人生活に慣れ、ライフステージや仕事に対する考え方が変化してくる年代です。そのため、将来のキャリアや働き方に関する悩みが多くなります。
40代は今までよりも責任感のある仕事を任されるようになるため、自身のポジションや将来への不安が中心です。
キャリア相談を受けるべきタイミングは、就職や転職に限りません。現在の仕事や働き方に不満があるとき、自分に適した仕事を知りたいとき、将来のキャリアを考え直したいときなど、さまざまなタイミングでキャリア相談は有効です。
上司や同僚、身近な家族には相談しづらい悩みも、第三者であるカウンセラーなら話しやすいケースもあるでしょう。「キャリアについて誰かに相談をしたい」と思ったタイミングでの利用がおすすめです。
キャリアコンサルティングは「キャリアコンサルタント」という国家資格を持った専門家によって行われます。
厚生労働省によると「キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」と定義されています。
参考:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」
キャリアカウンセラー(コンサルタント)の助言を受けることで、自身のキャリア形成に向けてすべき方向性が明確になり、将来への不安も軽減できます。ここでは、キャリア相談で得られる下記4つのメリットを紹介します。
キャリア相談は自己分析をより深くできることが一つのメリットです。キャリアカウンセラーは、相談者のこれまでのキャリアや現在の仕事上の悩みに応じて助言を行います。
第三者から意見をもらうことで、自身を客観視できるため、改めて長所や課題に気付ける場合もあるでしょう。自己理解が深まることにより、自身の適性や身につけるべきスキルが明確になるため、今後のキャリア形成に役立ちます。
キャリアカウンセラーと過去を振り返る中で、関心のある分野や仕事において大切にしたい価値観が整理されるため、理想とするキャリアを見出しやすくなります。
今後の方向性や最終的なゴールが定まると、それを実現するために今やるべきことが見えてきます。中長期的な目標を立てるなど、キャリアプランの具体化が可能です。
キャリアビジョンやキャリアプランの作成方法はキャリアカウンセラーが指導してくれるため、初めての方も安心して取り組めるでしょう。
キャリアカウンセラーは、転職市場にも知見があるため、転職に関する不安や具体的な方法についても相談ができます。幅広い業種・業界の情報や必要なスキルを教えてもらえるため、対策がとりやすくなります。事前に悩みや不安を解消しておくことで、前向きな気持ちで転職活動を行えるでしょう。
また、育児や介護、その他の事情などによる休職の相談も可能です。休職前の注意点、復帰をするための方法や選択肢、復帰後のキャリア形成など、さまざまな助言を受けられます。休職後を具体的にイメージできることにより安心感が生まれ、休職に踏み切りやすくなります。
キャリアカウンセラーと一緒に自身の過去を振り返り、理想とする将来像をイメージできると、現在やるべきことが明確になります。そのため、キャリア相談を受けた後には、仕事へのモチベーションが向上するケースがあります。
「目指したい目標が定まった」「自分の興味のある分野が見えてきた」「自己啓発を行うきっかけになった」など、ポジティブな変化を感じられるでしょう。
キャリア相談は公的機関や民間機関など幅広い団体が実施しており、料金もさまざまです。ここでは無料と有料のサービスについて、それぞれの特徴を解説します。
公的機関には無料のキャリア相談サービスが数多くあります。例えば、キャリア相談から職業紹介まで受けられる「ハローワーク」、若者のキャリア相談に特化した「ジョブカフェ」などです。国や自治体が主体となっているため、全国の地域で参加できます。
また、転職エージェントや人材派遣会社のような民間機関では、転職活動を前提とした無料カウンセリングを受けることが可能です。
無料のサービスは費用が発生しないため、いつでも気軽に相談できる点がメリットです。キャリア相談だけでなく地域に密着した職業紹介を受けられるケースもあります。
一方で、サービスによってはカウンセラーが資格を保有していない、人員不足で予約が取りにくい、相談や助言を受けられる範囲が限られているといったデメリットもあります。
キャリアカウンセリングを専門とした有料サービスもあります。無料サービスとの大きな違いは、カウンセラーの専門性の高さやサービス内容の幅広さです。
有料サービスのキャリアカウンセラー(コンサルタント)は、厳しい採用テストをクリアし、資格を保有していることが一般的です。そのため、より質の高いアドバイスを受けられます。
サービスによって内容は異なりますが、キャリア相談に加えて、キャリア形成を目的としたカリキュラムやトレーニングを受けられるケースもあります。相談費用は1回5,000円から1万円、トレーニングを含むサービスは月額1万円以上が相場です。
キャリア相談の時間は1回あたり1時間~1時間半程度と限られているため、事前準備をしておくとスムーズです。また、アドバイスを有効活用するための心構えも理解しておきましょう。キャリア相談をする際に押さえておきたいポイントは次の3つです。
キャリア相談では過去のキャリアを振り返ります。履歴書や職務経歴書を準備しておくことで、キャリアカウンセラー(コンサルタント)に情報を共有しやすくなり、時間の有効活用ができます。
履歴書や職務経歴書の内容は正確に記載しましょう。虚偽の内容では、ずれが生じてしまい、的確なアドバイスを受けられなくなるため、注意が必要です。
キャリア相談の場で漠然と「なんとなく不安です」と言っても、カウンセラーは適切なアドバイスができません。有意義な時間にするために、事前に相談内容や不安をまとめておくことが理想です。
仕事に関する悩みや気になる点が多い場合には、すべて箇条書きで書き出します。そのうえで「働き方」や「業務内容」などカテゴリー別にし、優先順位を決めましょう。
キャリア相談はあくまでキャリア形成のアドバイスやサポートを受ける場です。キャリアカウンセラーからの助言をもとに、最終的にキャリアプランや次の行動を決めるのは自分自身ということを理解しておきましょう。
「カウンセラー(コンサルタント)に言われたから」とキャリアの判断を他人任せにしない姿勢が大切です。情報収集や新たな選択肢の発見を目的に、キャリア相談を受けましょう。
キャリア相談はこれまでの職務経験を踏まえて、今後のキャリア形成について考えられる場です。キャリアカウンセラーやコンサルタントから客観的なアドバイスを受けることで、自己理解が深まり、キャリアビジョンやキャリアプランが明確になります。
キャリア相談は公的機関や民間機関を問わず、さまざまな団体が実施しています。サービスによって費用や特徴が異なるため、比較をしたうえでの申し込みがおすすめです。仕事の悩みの解消や将来設計に向けて、ぜひキャリア相談を役立てましょう。
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