雇用形態の種類一覧! 働き方の違いと自分に合う働き方を見つける方法

社会人として働き始めて間もない、または就職活動中の方の中には「働き方の種類について知りたい」「働き方の違いを把握しておきたい」とお考えの方もいるでしょう。

日本には正社員をはじめ、契約社員や派遣社員など様々な雇用形態があります。自分に適した働き方を選ぶためには、各雇用形態の特徴を把握しておくことが重要です。

本記事では代表的な4つの雇用形態の特徴やメリット、デメリットに加え、自分に合う働き方を見つけるためのポイントを解説します。

雇用形態の種類

雇用形態とは、企業と労働者の間で交わされる契約形態のことです。具体的には正規直接雇用、非正規直接雇用や非正規関接雇用、業務委託(請負)契約に分けられ、契約内容はそれぞれ異なります。

 

各雇用形態の比較表は以下の通りです。


雇用形態


給与体系

社会保険

健康保険

厚生(国民)年金保険

雇用保険

労災保険

正規直接雇用

(正社員)

・月給や年俸

非正規直接雇用

(契約社員・パートなど)

・契約社員:日給や月給

・パート:時給

・契約社員:〇

・パート:〇※1

・契約社員:〇

・パート:〇※1

非正規間接雇用

(派遣社員)

・時給

派遣元で加入

業務委託(請負)契約

・固定報酬

・成果報酬

・成功報酬

自身で加入

自身で加入

×

△※2

※1 労働時間、年収や企業規模など加入条件によって異なる
※2 対象者のみ「特別加入」が可能

 

ここでは以下の雇用形態の労働者目線でのメリット・デメリットを解説します。

  • 正規直接雇用(正社員)
  • 非正規直接雇用(契約社員・パートなど)
  • 非正規間接雇用(派遣社員)
  • 業務委託(請負)契約


それぞれの詳細について見ていきましょう。

正規直接雇用(正社員)

正規直接雇用(正社員)は企業から直接雇用され、原則として雇用期間の定めがない形態です。主な給与体系は月給制や年俸制で、企業によっては賞与や退職金も支給されます。健康保険や厚生年金などの福利厚生も充実しています。

 

正社員の勤務時間はフルタイム勤務の他にも、フレックスタイム制や短時間勤務制度、時差出勤など様々な働き方があります。詳細はこちらの記事をご覧ください。

 

関連記事:パスメイク「多様な働き方とは?働き方の種類や企業にとってのメリットを解説」

正規直接雇用で働くメリット・デメリット

正規直接雇用で働くメリットは、毎月一定の給与収入で経済的な安定を保てることです。雇用期間に定めのない分、長期目線で裁量の大きな仕事を任されることもあり、社内でのスキルアップやキャリアアップも期待できます。

一方で、責任の重さや、繁忙期には残業や休日出勤を求められやすいこと、転勤や異動を命じられることはデメリットといえるでしょう。ノルマがある場合「成果を残さなくてはならない」というプレッシャーからストレスを感じる可能性もあります。

非正規直接雇用(契約社員・パートなど)

契約社員やパート・アルバイト、嘱託社員は、非正規直接雇用に分類されます。正社員と同じく勤め先の企業と直接雇用契約を結びます。

 

契約社員は日給や月給、パートは時給で給与が支払われ、社会保険も企業で加入することが一般的です。ただし、昇給や退職手当などの有無は企業によって異なります。

 

また非正規直接雇用では雇用期間が定められています。例えば契約社員は契約期間の上限が通常3年に定められており、労働者と企業双方の合意がなければ更新できません。

非正規直接雇用で働くメリット・デメリット

非正規直接雇用で働くメリットは、正社員と比べて勤務時間や働き方の融通が利くことです。基本的に転勤や異動の辞令が出されることはなく、残業が多くないケースもあります。そのため、家庭と仕事の両立などワークライフバランスを整えやすくなっています。

 

ただし、非正規直接雇用は正社員とは異なり、賞与や福利厚生などの十分な待遇を受けられないことがデメリットです。企業の業績によっては契約が終了となる可能性もあります。

非正規間接雇用(派遣社員)

非正規間接雇用(派遣社員)とは、派遣会社との間で雇用契約を締結し、派遣会社が派遣契約を締結している企業内で就業する労働者のことです。雇用主と就業先が分離していることが特徴で、給与の支払いや社会保険の加入は派遣会社で行われます。

主な給与体系は時給制で、賞与や退職金は時給に含まれることがほとんどです。就業先での雇用期間は幅広く設定されており、昨今は数カ月単位で働けるケースもあります。

非正規間接雇用で働くメリット・デメリット

非正規間接雇用で働くメリットは、様々な就業先でコミュニケーションスキルや理解力を身につけられることです。また契約で業務内容が定められているため、残業を求められることが少なく、勤務時間の融通が利きやすい傾向があります。

デメリットは、定期的に就業先が変更となるため、新たに仕事を覚えなくてはならないことです。また契約期間内であっても、就業先の業績が悪い場合は契約が打ち切りになることもあります。

業務委託(請負)契約

業務委託(請負)契約は企業との雇用契約ではなく、業務に関して委託契約を結んで働くスタイルのことです。

基本的に企業から指示を受けないため、正社員や契約社員、派遣社員、パートなどのような「労働者」には含まれません。業務委託(請負)契約を結ぶ個人事業主やフリーランスは「事業主」として扱われ、労働基準法などに定められる労働者としての保護は受けられないのが現状です。

社会保険も自身で加入する必要があります。報酬は毎月一定額の報酬が定められている「固定報酬」や、成果物に対して支払われる「成果報酬」など様々です。仕事内容によっても報酬の相場は異なります。

業務委託(請負)契約で働くメリット・デメリット

業務委託(請負)契約で働くメリットは、自由度と柔軟性が高いことです。請けた仕事の完成に対して報酬を得るため、従業員のように指揮命令に従って働くものではありません。そのため、自分の生活スタイルに合わせて仕事を進めやすくなっています。

また、専門知識を提供できる得意分野で仕事を受けることができれば、より高い報酬を得られることも期待できます。

デメリットは、企業で雇用される場合と比べて独立性がある分、自己責任の部分も増え、社会保険が十分でない点が挙げられます。例えば失業手当や育児休業給付金は対象外となります。また本来の仕事以外にも、営業探しや経理事務など必要な作業が多くあります。

自分に合う働き方を見つけるためのポイント

それぞれの雇用形態にはメリット・デメリットがあり、どの働き方が合っているかは人によって異なります。自分に適した働き方を見つけるためには、理想の生活や仕事で重視したい条件などを意識することが大切です。

例えば、以下の3点を確認することで、自分自身の望む働き方を捉えやすくなります。

  • キャリアプラン・人生
  • 働く上で重視する条件
  • 社会保険や雇用保険などの国や企業によるサポート

ここではこの3点について解説していきます。

キャリアプラン・人生プラン

理想とする人生や生活、人物像の実現に、より近づける働き方を選ぶ方法です。

 

例えば正社員の場合、勤務地が限定されたり、転勤の辞令が出たりする可能性があります。また一定期間ごとに職場が変わる派遣社員では、スキルをじっくりと高めていくことが難しいかもしれません。

 

まずは自身のキャリアプランや人生プランを視覚化して明確にしましょう。その上で、各雇用形態の特徴をリサーチしていくと、自分に合う働き方が見つけやすくなります。

働く上で重視する条件

報酬や働き方など、仕事をする上で重視する条件から、雇用形態を選ぶ方法もあります。

例えば、経済的に安定(自立)したいのであれば、毎月一定の収入を見込める「正社員」がよいでしょう。

勤務時間や働く場所を自由に選択したい場合は「契約社員」や「派遣社員」、プライベートの都合に合わせて柔軟に働きたいなら「パート」や「業務委託」が向いています。

しかしながら、働くために一番重要なことは、やりがいを持てる仕事、働く目的を見つけておくことです。その上で自分の生き方に合う条件の仕事を選択してみましょう。

社会保険や雇用保険などの国や企業によるサポート

労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険など、労働者としての保障を受けたいかどうかも重要なポイントです。業務委託契約にはこれらの保障がなく、企業による福利厚生や退職金などもありません。

ワークライフバランスを整えたい、将来や万が一に備えたいといった場合は、正社員など国・企業によるサポートが手厚い雇用形態を選択したほうが希望通りの生き方ができるでしょう。

 

雇用形態の違いを理解し、自分に最適な働き方を選択しよう

現在の日本は働き方が多様化しており、雇用形態の種類も正規直接雇用をはじめ、非正規直接雇用や非正規間接雇用、業務委託(請負)契約など様々です。各雇用形態は給与体系や社会保険の有無、メリット・デメリットが異なります。

自分に適した働き方を見つけるためには、理想のキャリアプランや人生プラン、働く際に重視する条件などを明確にすることが重要です。国や企業によるサポートも考慮しながら、理想を叶えられる雇用形態を見つけましょう。

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