Z世代が求める働き方とは? アンケート調査から価値観を読み解く
メディアでよく耳にする「Z世代」と呼ばれる若者たちが、いよいよ社会人の年齢となってきました。しかしZ世代の価値観はこれまでの世代と異なる傾向があるため、ビジネスで関わったり、マネジメントを進めるためには彼ら世代を理解することは必要不可欠です。
本記事では、Z世代への独自のアンケート調査や内閣府の調査結果を基に、Z世代が求める働き方を読み解きます。Z世代の価値観に一致する企業についても解説しますので、人事担当者の方や、Z世代と一緒に働くビジネスパーソンの方はぜひ参考にしてください。
Z世代とは
Z世代とは1990年代中頃から2010年頃に生まれた世代のことです。デジタルが当たり前の時代に生まれたことから「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。
2023年現在は13~27歳が該当し、総務省の人口推計(2023年10月1日現在)によるとZ世代は日本の全人口の約14%を占めています。
デジタル機器を使いこなせるだけでなく、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視していることが特徴です。
出典:総務省統計局「人口推計」
ミレニアル世代など他の◯◯世代との違い
Z世代と他の世代の違いも把握しておきましょう。X世代は1960年代~1980年代前半に生まれ、大人になってからインターネットが普及した世代です。
Y世代は1980年代後半から1990年中頃生まれで「ミレニアル世代」とも呼ばれています。物心がついた頃からデジタルに触れてきた世代です。
α世代は2010年以降に生まれた世代で、よりITやAIが発達した環境で成長していくものと考えられています。
Z世代にアンケート! 仕事や働き方への価値観とは
Z世代は仕事や働き方にどのような価値観を持っているのでしょうか。Z世代を対象にアンケートを実施し、働く上で重視していることや今後のキャリアへの考え方など以下の4項目について調査しました。
- 働く上で重視していること
- 理想の上司像
- 今の職場や会社に対しての考え方
- 今後のキャリアや働き方に対しての考え方
アンケートの結果を基に、Z世代の働き方への価値観について解説します。
働く上で重視していること
「働く上で重視していることは何か」という質問に対しては以下の回答が得られました。
回答 |
割合 |
働きやすさ (勤務時間や勤務場所など) |
74.23% |
経済的に安定している |
58.76% |
職場の雰囲気や社内の文化 (人間関係がよい、風通しがよいなど) |
54.64% |
やりがい・達成感がある |
27.84% |
職業・企業として安定している (失業しない・倒産しないなど) |
20.62% |
会社の福利厚生や研修制度が充実している |
17.53% |
複業や副業ができる |
13.40% |
スキルや能力が身につく・成長できる |
12.37% |
出産や育児、介護などに対する制度・理解がある |
11.34% |
スキルや能力が活かせる |
8.25% |
正当な評価が受けられる |
7.22% |
※選択式・最も重視していることを三つまで回答
※未就職者はこれからの仕事選びで重視したいこと
Z世代が最も重視していることは「働きやすさ」であり、経済的な安定や職場の良好な雰囲気も意識していることが分かりました。安定した仕事を得た上で、やりがいや達成感を感じたいという価値観がうかがえます。
理想の上司像
「理想の上司とはどのような人物か」という質問に対しての回答は以下の通りです。
回答 |
割合 |
気軽に話しやすい |
72.16% |
丁寧に教えてくれる |
57.73% |
成長をサポートしてくれる |
38.14% |
尊敬できる |
36.08% |
決断力がある |
25.77% |
プライベートに干渉しない |
24.74% |
相談に乗ってくれる |
23.71% |
リーダーシップがある |
19.59% |
必要なときにしっかりと叱ってくれる |
17.53% |
※選択式・最も当てはまるものを三つ回答
Z世代は気軽に話しやすく、丁寧に教えてくれる上司を理想としています。一方で「プライベートに干渉しない」という回答が24.74%ありました。良好な人間関係を望みつつも、仕事とプライベートはしっかりと分けたいと考える人もいるようです。
今の職場や会社に対しての考え方
「今の職場や会社についてどのように考えているか」という質問には、以下のような結果でした。
回答 |
割合 |
いつかは転職しようと考えている(時期は未定) |
37.11% |
できるだけ長く働き続けたいと考えている |
30.93% |
近いうちに転職しようと考えている(時期は決定済み) |
6.19% |
分からない |
7.22% |
現在就業していない |
18.55% |
※選択式・一つのみ回答
今の職場や会社に対しては、いつかは転職しようと考えている人と、できるだけ長く働き続けたい人に分かれました。2023年現在、Z世代の就業者は20代が中心で、まだ社会人経験が浅いということもあり、転職を視野に入れているものの時期は未定という回答が多いと考えられます。
今後のキャリアや働き方に対しての考え方
「今後のキャリアや自身の働き方についてどのように考えているか」への回答は以下の通りです。
回答 |
割合 |
給与などの待遇を向上させたい |
38.14% |
より自分らしく、ワークライフバランスを重視して働きたい |
30.93% |
できるだけ早くリタイアしたい |
5.15% |
出世などで社会的な地位を向上させたい |
3.09% |
起業や独立をしたい |
2.06% |
その他 |
1.03% |
現在就業していない |
19.6% |
※選択式・最も当てはまるものを一つのみ回答
出世をして社会的な地位を上げていくことよりも、給与面などの待遇やワークライフバランスを重視する回答が上位を占めています。また、自由回答では「必ず賞与をもらいたい」といった意見もありました。
Z世代のコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを大切にするという価値観が、仕事や働き方への考え方にも影響しているようです。
Z世代の仕事や働き方に対する価値観
Z世代の仕事や働き方に対する価値観としては、以下の2点が大きな特徴と言われています。
- ワークライフバランスを重視する
- 一つの職場にこだわらない
ここでは内閣府の調査結果を基に、2013年と2018年の日本の若者の価値観の変化について深掘りしていきましょう。
ワークライフバランスを重視する
内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)」によると「仕事と家庭の優先度」の結果は以下です。
出典:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)第2部 調査の結果(Q13)」
平成30年度の調査では「仕事と家庭生活をともに優先したい」26.9%、「家庭生活を優先したい」25.6%が上位を占めています。
平成25年度の調査と比べると「仕事と家庭生活をともに優先したい」という回答が5%以上減り、「家庭生活を優先したい」という回答が5%以上増えています。
Z世代は平成25年度の若者と比較して、よりワークライフバランスを重視する傾向にあるといえるでしょう。
一つの職場にこだわらない
内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)」の「転職に対する考え方」への回答は以下です。
出典:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)第2部 調査の結果(Q45)」
平成30年度の調査では「職場に強い不満があれば、転職することもやむをえない」26.4%が最も多い回答でした。次いで「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」23.6%、「職場に不満があれば転職する方がよい」22.8%が上位を占めています。
平成25年度と比べて「職場に不満があれば転職する方がよい」の回答が8%以上増えており、Z世代には一つの職場にこだわらない価値観があることが分かります。
Z世代の価値観と一致する企業
調査の結果を踏まえると、Z世代の価値観と一致する企業は以下の2点をおさえていると考えられます。
- 多様な働き方を許容している
- スキルが身につく
それぞれの詳細を解説します。
多様な働き方を許容している
Z世代は「仕事とプライベートを両立したい」という価値観を持っています。そのため、一人ひとりのワークライフバランスに合わせて、テレワークや短時間勤務などの柔軟な働き方を選べる企業は、Z世代にとって魅力的に映るでしょう。
企業が多様な働き方を取り入れるメリットや課題については下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:パスメイク「多様な働き方とは?働き方の種類や企業にとってのメリットを解説」
スキルが身につく
Z世代は転職をすることになった時に備えて、仕事をしながら資格取得やスキルアップができるかどうかを重視しています。またキャリア形成を会社任せにするのではなく、獲得するスキルや知識は自分自身で選択したいと考えており、副業や複業への関心もあります。
研修制度やOJTのような教育制度が整っている、副業を許可しているなど、スキルアップの選択肢が幅広い企業は、Z世代の価値観に一致するといえるでしょう。
Z世代の働き方やキャリアの考え方を理解しよう
Z世代は1990年代中頃から2010年頃にかけて生まれた世代のことです。デジタルが当たり前の社会で生まれたこともあり、これまでの世代とは異なる価値観を持っています。
仕事や働き方に対しては、ワークライフバランスを重視しており、スキルアップのためには一つの職場にこだわらないことが特徴です。Z世代の働き方やキャリアへの考え方を理解し、良好な関係を築いていきましょう。
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