近年、ビジネスの現場において「オーナーシップ」が注目を集めています。オーナーシップは、組織で働く人の生産性を向上させるための能力として重要な意味があります。
本記事では、オーナーシップの定義や求められる時代背景、オーナーシップを持つ人の特徴などを解説します。
「オーナー」には所有者、主体性などの意味があり、「オーナーシップ」とは、組織の中で与えられた役割や仕事に対して主体的に取り組む姿勢のことを意味しています。
オーナーシップがある人は、与えられた仕事を「命令だから」と消極的に捉えず、成果を上げるにはどうしたらよいのかを考え、自ら積極的に行動を進めていきます。また、仕事を通して自分自身を成長させようとする意識もオーナーシップに含まれます。
オーナーシップがある人は、キャリア形成の主導権は自分自身にあると考えているケースが多く、自身のキャリア形成も意識した上で業務や役割に対して主体的に取り組む傾向があると言われています。
オーナーシップと混合されやすい言葉にリーダーシップがあります。いずれも仕事に対して主体的に取り組む点では同じですが、リーダーシップが組織やチーム全体を管理するのに対し、オーナーシップは自分自身が対象です。
リーダーシップは、自ら組織の先頭に立つことでチーム全体をマネジメントすることを目的としています。対してオーナーシップは、自分自身をマネジメントすることによって個人の生産性やスキルを向上させることが目的です。
この違いから、リーダーシップの発揮にはフォロワーが必要ですが、オーナーシップはフォロワーがいなくても成立します。
オーナーシップが求められているその背景には、ビジネスを取り巻く環境の急速な変化があります。具体的には、以下の2点が挙げられます。
それぞれの内容について見ていきましょう。
近年、世界情勢の変化や、AIをはじめとするテクノロジーの発展が急速な速度で進んでいます。加えて労働人口の減少や働くことへの価値観の多様化など、企業を取り巻く環境は常に変化しています。
このようなビジネス環境の中では、指示を待って働くだけのスタイルでは変化に追いつけません。時代の変化に自分自身を対応させるためにも、誰もがオーナーシップを持って主体的に仕事へ取り組む必要があります。
現代の日本では少子高齢化が進んでおり、今後も優秀な人材の確保が難しい状況が続くと予想されています。限られた人的資源の中で企業が競争力を維持していくためには、組織の生産性向上が不可欠です。
組織の生産性向上のためには、経営陣や管理職だけが組織をけん引するスタイルを積極的に変えていく必要があります。現場の社員一人ひとりが当事者意識を持って主体的に動けるようになることで、変化に対応し得る強い組織が出来上がります。
「オーナーシップを発揮する」といっても、具体的にどのように行動すればよいか分からない人も多いのではないでしょうか。しかし、難しく捉える必要はありません。誰もが取り組めるオーナーシップの具体例として、以下の2つが挙げられます。
それぞれの具体的な取り組みについて、詳しく見ていきましょう。
仕事には納期や期限がありますから、必ず守らなければなりません。プロジェクトの進行や成果物の納品を予定通りに実行するためには、スケジュール管理が不可欠です。
プロジェクト全体の進行予定を基に、自分自身に割り振られた業務のタイムラインを作成し、管理しましょう。自分のスキルや業務スピードと照らし合わせて所要時間を概算し、スケジュールに落とし込んでいきます。
スケジュール管理する際は、「もっと効率化できないか」という視点で業務改善に取り組むのもオーナーシップの1つです。
プロジェクトや業務課題に対して自分自身ができることを自ら探すことも、オーナーシップのある行動の1つです。指示されたことをこなしているだけでは、主体性を発揮しているとはいえません。プロジェクトや業務の目的を把握し、成功させるためには何が足りないのかを自分なりに考え、行動に移すことが大切です。
周囲との連携を取りつつ、「他人任せにしない」「自ら動く」という意識で仕事に取り組むことは、自分自身のオーナーシップを成長させるだけでなく、チーム全体の士気を高めることにもつながります。
オーナーシップを持つ人には、主に以下の4つの点の特徴が見られることが多いとされています。
いずれも優秀なビジネスパーソンに求められる特徴であるといっても過言ではありません。主体的な行動と周囲への積極的な働きかけがポイントです。具体的な内容について見ていきましょう。
オーナーシップを持つ人には、自分自身や周囲の状況を客観的に分析できる能力に長けている人が多いと言われています。例えば、自分自身の弱みや強みを把握することで、自分に必要な行動や振る舞いを意識できます。また、周囲の状況を客観的に捉えることで、他の人に任せたほうが効率的な業務は他の人に振り分けるといった柔軟な対応も可能になります。
こうした客観的な分析能力が、結果としてオーナーシップのある主体的な行動につながりやすくなります。
想定外のトラブルや急なスケジュール変更が発生した場合でも、臨機応変に対応できるという点も、オーナーシップを持つ人の特徴の1つです。自分の置かれた状況を客観的に分析し、必要な行動を見いだせるため、上司からの命令を待つことなく問題解決に向けて動くことができます。
また、解決策を考える際は既存の手法にこだわらず、新しい視点で物事を捉えられる点も特徴的といえます。想定外の事態に巻き込まれ、先が見えない状況でも、新しい発想で困難な状況を切り抜けることができます。
こうした対応力の根底には、「全体の利益を優先して行動する」というオーナーシップの基本があります。
周囲の人と協力し合うことに長けていることも、オーナーシップを持つ人の特徴の1つとして挙げられています。
オーナーシップを持つ人は、周囲と協力して互いの弱みを補いながら行動する方が、自分1人で結果を出そうとするよりも効率的と考える場合が多いとされています。そのため、組織やチーム内で積極的にメンバーに働きかけて士気を高めようとしたり、場合によってはメンバーの相談役になったりすることもあります。
リーダーのようにメンバーの先頭に立ってマネジメントするのではなく、自らの能動的な行動によってチーム全体の組織力を向上させる力があると言えるでしょう。
オーナーシップを持つ人は責任感が強く、成果をあげることで組織や仕事へ貢献するやりがいを感じているケースが多いとされています。
組織に求められていることに応えるために、どのような結果を出すべきなのかといったことを客観的に考え、判断している人も少なくはありません。こうした意識が、結果として新しい提案を積極的にしたり、周囲のメンバーに対してプラスの働きかけをしたりといった能動的な行動につながっている場合もあります。
また、こうした責任感から日々の業務の中で改善点を見つけることに長けている人もいます。
オーナーシップのある人は、その主体的な行動から周囲にプラスの影響を与えます。一方で、オーナーシップを持たない場合はどのようなことになるのでしょうか。
オーナーシップのある人が取らない行動には、以下のような例が挙げられます。
具体的に見ていきましょう。
自分が矢面に立つのを必要以上に回避し、時に失敗を隠ぺいしようとする自己防衛の姿勢は、オーナーシップのある人は取らない行動です。
また、新しいことや面倒だと感じる業務に取り組むのを避けたり、自分の仕事に関連のある業務でも「担当外」と決めつけて無視したりすることも、主体性をもった行動とは言えないでしょう。新たな挑戦や煩雑な業務を担当するためには労力が必要とされますが、それを避けていては自分自身も組織も成長していきません。
自分の評価が低い理由や、やりたい仕事ができない理由を上司や制度のせいにする他責思考も、オーナーシップとは対極の姿勢といえるでしょう。
物事に対する受動的な態度や振る舞いも、オーナーシップの対極にある行動と言えます。こうした姿勢は自分自身が成長しないのはもちろんのこと、周囲にも悪影響を与えます。日頃からネガティブな言動が多いことも特徴で、チーム全体の士気を下げることになりかねません。
オーナーシップのある人であれば、トラブルが生じたり自分の思うように進まない事態に陥ったりしても、自らの成長に必要な経験として捉え、前向きに乗り越えていけます。
変化の激しい現代において企業の競争力を維持していくためには、オーナーシップのある人材が必要です。オーナーシップは生まれ持った特別な能力ではなく、当事者意識を持って行動することで身につけていくことが可能です。
会社や上司に育ててもらおうと考えるのではなく、成長に必要な要素を自ら考え、行動に移す積み重ねが大切です。こうした自己成長の意識がオーナーシップのあるビジネスパーソンへつながっていきます。
オーナーシップを身につけるためには、スケジュール管理などできることから取り組んでいき、トライアンドエラーを繰り返しながら実践的に学んでいきましょう。
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